健康医療セミナー「がん」~know(≠no)more cancer

もっと知ってほしい「男性がん」のこと

ワークショップNo.110521

開催日 平成23年5月21日(土) 13:00~16:30 時間 13:00~16:30
場所 秋葉原UDX 4F 先端ナレッジフィールド UDXシアター 参加費 無料
募集対象 がん患者、そのご家族、健康、医療に関心がある方、がんに関心がある方、医療関係者、他 募集人数 150名 
健康医療セミナー「がん」~know(≠no)more cancer
 
テーマは「もっと知ってほしいがんのこと Meet the Experts“がん専門医に訊く”」。
肺がん、胃がん、大腸がん、肝がん、乳がん、婦人科がん、泌尿器がんなど、各回テーマを設け、その分野のエキスパートをお招きします。専門医によるレクチャーとパネルディスカッション、Q&Aセッションなど、がんについての最適な情報を提供します。毎月第三土曜日が定例となっています。
この回は、「精巣腫瘍」「前立腺がん」をテーマにセミナーとパネルディスカッションを実施しました。
 
 【プログラム】
司会:TBS テレビ報道局解説室 小嶋 修一氏
13:00~14:10 基調講演① 「精巣腫瘍の治療最前線」
       京都府立医科大学附属病院病院長 三木 恒治氏
14:10~15:10 基調講演② 「前立腺がんの最新治療法」
       東京厚生年金病院泌尿器科部長 赤倉 功一郎氏
15:25~16:25 Q&A・トーク セッション「もっと知ってほしい“男性がん”のこと」
司会:TBS テレビ報道局解説室 小嶋 修一氏
パネリスト:京都府立医科大学附属病院病院長 三木 恒治氏
      東京厚生年金病院泌尿器科部長 赤倉 功一郎氏
      精巣腫瘍患者友の会(J-TAG)副代表 鈴木 信行氏  
      前立腺がん体験者 武内 務氏
16:25~16:30 閉会挨拶「セミナー閉会挨拶」
      精巣腫瘍友の会(J-TAG)代表  改發 厚氏
 
【開催内容】
 今回は「男性がん(精巣腫瘍・前立腺がん)」がテーマ。男性のみが掛かるガンにも関わらず、ご夫婦やカップルなど、パートナーと参加をされる方もおり、個人のみが苦しんでいる訳ではない事が伺える。
 
精巣腫瘍の発症数は決して高くなく、10万人に1-2人程度の発症数であるが、20‐40才代の発病が多く、あらゆるガンの種類の中でも、早い事が特徴。
症状は無痛で、部位の特性から、診断に行かずに放っておく人が多いため、精巣が腫れてきたと気になったら早めに専門医に診断に行く事が大切である。また、転移が見られる事もあるが、適切な治療を行なえば80%程度治癒が可能で、5年後の生存率も高い。
治療としては、様々な治療方法があるが「セミノーマ」「非セミノーマ」によって、治療方針は違うが、抗がん剤が効きやすい事が挙げられる。経験豊富な施設で治療する事も必要。進行性精巣腫瘍の場合の治療の主体は化学療法であり、「BEP療法」「新規抗がん剤」「大量療法」などで行う。更には精巣腫瘍をテーマとした、セミナーや講義はあまりないため、敢えて専門的な内容の講義もされた。
 
前立腺がんについては、精巣腫瘍と違い、高齢者の発症が多く、70歳代に多い。初期には無症状である。高齢で発病した場合は体力的な問題などから、治療方法は様々な方法が検討されるが、男性ホルモン依存性を示すため、内分泌療法が有効である。また、ガンにもかかわらず、待機療法(無治療経過観察)という方法があり、前立腺がんの特徴として進行が遅いため、身体に影響が出るような症状が出る前に、別の理由で寿命を全うする事もあるため、(臨床的に意味のないがん、という)経過観察のみにとどめる場合もある。
男性ホルモンを抑制する事により、治療する事が可能ではあるが、男性ホルモンが減る→筋肉量等が落ちる→転倒しやすくなる→骨折しやすくなるという問題があり、高齢者にとっては骨折も深刻な問題となり同時に、骨に転移しやすいため、骨密度なども定期的に測る必要がある。
 
その他トークセッションにおいては、他人になかなか聞けない、性にまつわるような話も聞かれ、男性ホルモン抑制によるED、性欲減退の話や、ガンになったことにより、就労が難しくなるなど、二次的な問題もある話が聞かれた。
このような問題は医者に相談をしても、解決が難しいため、同じような問題を抱える人たちとのコミュニティも大切であり、同時に今までは医者の役割は「ガンを治す」のみで良かったが、これからは社会復帰を初めとしたQOL(Quality Of Life)も考えた治療が大切となる。また、必ずしも入院をしないでも、一部の化学療法においては、外来療法によっても治療する事が可能である。
 
また、抗がん剤を使用して治癒したのちに子供が出来た場合に、ガン治療が原因で奇形などが産まれるという医学的エビデンスは一切ないことも強調された。
「精巣腫瘍の治療最前線」 京都府立医科大学附属病院病院長 三木 恒治氏 精巣腫瘍の発病年齢は他の種類のガンと比べても、低年齢で発症(40才前後=黄色) 「前立腺がんの最新治療法」  東京厚生年金病院泌尿器科部長 赤倉 功一郎氏
前立腺がんの治療には「非セミノーマ」「セミノーマ」で治療方針が違う。 抗がん剤を使用して治癒した後に子供が出来た場合に、ガン治療が原因で奇形などが産まれるという医学的エビデンスは一切ない。 自らも精巣腫瘍の経験者であり、現在は何の不自由もなく生活をしている精巣腫瘍友の会(J-TAG)代表  改發 厚氏。「あなたは一人ではない」